デメルを愛した人々

デメルの三代目女主人・アンナのトルテ

王宮に置かれている、王妃エリザベートの肖像
デメルレディ

デメルの店に入ると、圧倒されるようなお菓子の数々が並べられ、それらを機敏に運んだり、包装したりしている女性たちが目に付きます。

彼女たちはおそろいの黒い制服に身を包み、その身のこなしや颯爽とした仕事ぶりから、尊敬の念をこめて「デメル・レディたち」と呼ばれています。

デメルレディ

かつてはカトリック僧院の付属学校を出た少女が多く、デメルで働くことで女性としての、また社会人としてのエチケットやマナーを身につけ、職業女性のエリートとしてみなされました。
彼女たちは、ドイツ語・英語・フランス語を話し、目上の人に直接話しかけることは失礼だということから、お客様には「あなた」という二人称は使わず、つねに三人称で話しかけるという王宮時代の礼儀作法を今でも続けているのです。
デメルで働くこと、それが彼女たちの誇りであり、その誇りがお客様への細やかなサービスや尊敬の念にも現れています。
ウィーンにおける「デメル」の位置を印象づける、興味深いエピソードです。